赤い秘密の種明かし。

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赤く熟した『万願寺甘とう』が市場に並ぶことはない。もし、赤くて大型のトウガラシが市場にあれば、それは『万願寺甘とう』ではなく他の品種だ。赤い『万願寺甘とう』は出荷されない。出荷されるのは食べて最もおいしい濃緑色の適期に収穫されたものに限られているからだ。
赤く熟した『万願寺甘とう』は、採種のために栽培された特別な『万願寺甘とう』だ。
他の作物と交配しないように注意深く遮断した特別のハウスで、採種用に選抜した苗を栽培し、そこで収穫した完熟の果実を、生産者が集まりひとつひとつ丁寧 に手作業で採種する。

タネは契約育苗会社へ委託し、播種(種まき)〜幼苗の時に台木用品種に接木栽培した苗を、3月から生産者へ配布する。このタネと苗は、門外不出を徹底していて、いかなる理由があっても部外者に一切供給しない決まりだ。誤って畑で過熟してしまったものは生産者が責任を持っ て処理することを義務付けている。そうして、タネが絶対に外部に流出することのないよう、生産者部会で厳重に管理を行なっている。
この仕組みは、京都市場に初めて出荷した1983(昭和58)年からある。万願寺とその周辺の86アールで16トンを出荷した当時から「タネを守ろう」という先見の明があった。

今もその精神を引き継ぎ、産地の財産として大切に守り続けている。


始末の智恵袋。

さて、採種した後の、その抜け殻の赤い『万願寺甘とう』の果肉はどうなるのだろう。
答えは、乾燥させて鶏のエサにする。近隣で平飼いしている鶏に赤く熟した果肉を与えることで、黄身の色が濃いたまごを産む。そのたまごは、『まんがんたまご 有精卵』『めでたまご』のブランドで、舞鶴市内、近郊で販売されている。

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