万願寺甘とう 最上の万願寺とうがらし

福知山市

Iターンで就農
現福知山万願寺甘とう部会長

北山慶成

就職氷河期世代代表。
ブランド強化を願う。

僕ら、就職氷河期の真っ只中の世代なんです。就職して良い職場に巡り会えたかというとそんなことなくて、ブラック企業みたいな所ばかり。深夜まで働いて、体壊して退職して、で、また就職しても同じで、その繰り返し。なので、リスクはあるけど、就農っていう選択肢は垣根が低い。僕らみたいな就職氷河期の世代だったら、就農が魅力的に見えてくるんです。

それで、京野菜、京ブランドって強いよ、って話から、京野菜が作れる京都府内で研修先を探して就農することにしたんです。で、万願寺甘とうにどのくらい思い入れがあるかって言ったら、正直少ないです。Iターンですからね。

ただ、万願寺甘とうは百年前に発祥して、舞鶴の生産者たちが八十年かけて産地化に成功させた。信頼を形成するのって、とても長い年月が必要なのに、そうやって作られたブランドを僕らは今、使わせてもらってる。でも、いつまでもこのままでいいとは思っていないんです。

顧客を考えて、顧客になってもらえる人をどうやったら作れるか、そのための活動を福知山でもしていかないと。

生産者の中には販促活動に無関心の人や、自分が作る間だけ高値で売れればいいと考える人もいます。でも、次の世代、百年後の生産者のために、三世代にわたるファンを作りましょう、と。意識を少しずつ変えていきたいと思います。